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湿疹、アトピー性皮膚炎の治療なら池袋駅前のだ皮膚科へ|湿疹、アトピー性皮膚炎の予防と治療について

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湿疹、アトピー性皮膚炎

私はアメリカ留学中、世界的なアトピー性皮膚炎の大家であるMount Sinai大学教授のEmma Guttmanの下でこの病気を専門として学んでいました。世界的に有名なJournal Allergy and Clinical Immunologyという雑誌にアトピー性皮膚炎の病態、アジア人と白人におけるアトピー性皮膚炎の違いを記載しています。英語での文献ですが、下のリンクからダウンロードできます。

http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(15)01196-3/pdf

http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(14)01669-8/pdf

研究成果の概説です。
https://medley.life/news/56489a3c029eafe0039c3636/

当院ではアトピー性皮膚炎を重点的に治療するため、塗り薬や飲み薬の治療だけでなく、体の半身に紫外線を当てる「ナローバンドUVB」、狭い範囲の紫外線治療を行う「エキシマレーザー」の両者を用意しています。いずれも保険治療で、1回あたり3割負担で1020円です。

保湿剤やステロイドのぬり薬をどのくらいの間隔で、どの種類のものを塗ればいいのか、種類が多いこともあり患者さんご自身で判断するのは難しいと思います。ステロイド以外にもプロトピック(タクロリムス)やコレクチム(デルゴシチニブ)というステロイドに似た赤みやがさがさを抑えるぬり薬があり、適切に使うことでアトピー性皮膚炎を上手にコントロールできることができます。クリニックではこのような指導をきめ細かに行っています。アトピー性皮膚炎は長い間付き合っていくことになる病気です。一度きりの診察と治療ではなく、どのように予防と治療を行い、長期間がさがさや赤みのない状態を保てるのか、ひとりひとりの症状に合わせて考えていきます。

目次(クリックで開閉)
01

湿疹、アトピー性皮膚炎とは

湿疹はかさかさしていて赤みとかゆみを特徴とする皮膚の代表的な病気です。みなさん一度は経験したことがあるのではないかと思います。

アトピー性皮膚炎は長引く湿疹が広範囲に、左右対称にみられる場合の呼び名です。定義上は小児では2ヶ月、大人では6カ月以上特徴的な部位に湿疹があるとアトピー性皮膚炎と呼びますが、湿疹とは一連の病気ではっきりした境界はありません。実際、アメリカでは湿疹(eczema)とアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)を日本ほど区別して扱いません。

診療しているときにお子さんが湿疹で受診すると「これはアトピーですか?」、「この子はアトピーになるんでしょうか?」という質問をよく受けます。定義上、これは湿疹です、これはアトピー性皮膚炎です、と言うことはできますが、お子さんの場合は特に年齢と共によくなる場合が多いですし、治療は同じですので、アトピー性皮膚炎を必要以上に恐れる必要はないです。

範囲が広く、長引く湿疹は治療が難しいです。一生子どもが苦しむのではないか、と悩まれるご両親も多いことかと思います。私自身、現在は治癒していますが、中学生の頃までアトピー性皮膚炎の強いかゆみと皮膚の荒れに苦しんできました。幸い、半分以上のお子さんは大人になる過程で湿疹、アトピー性皮膚炎が治癒します。ただ、大人になっても残ってしまった場合は治療してもなかなか治らないことが多いです。赤ちゃんや子どもの頃からしっかりと予防と治療をして皮膚のいい状態を保つことで、将来的にアトピー性皮膚炎の症状が残るリスクを減らすことができると言われています。湿疹、アトピー性皮膚炎を疑う皮膚のがさがさ、赤みがあれば早めに皮膚科を受診しましょう。

02

湿疹、アトピー性皮膚炎の予防と治療

アトピー性皮膚炎をしっかり抑えるには皮膚がツルツルのいい状態を保つことがかかせません。皮膚表面のバリアの異常と皮膚の炎症、この2つが湿疹、アトピー性皮膚炎の原因ですが、がさがさして皮膚のバリアが壊れている状態が続いてしまうと炎症がよりひどくなってしまい、悪循環を止めることができません。そのため、

1.普段から保湿剤で皮膚をうるおいのある状態を保ち、がさがさを予防する
2.炎症が起きて赤くなってしまった時にはそれを抑えるためにぬり薬(ステロイドやプロトピック、コレクチムといった炎症を抑える薬)を使う

この2つが大切です。保湿剤を定期的に塗り、赤くがさがさしてきた時にはできるだけ早くステロイドのぬり薬やプロトピック・コレクチムを使って治療して赤みやがさがさのない状態にする、このポイントを抑えて皮膚の発疹が広がらないようにすると、病気をうまくコントロールできるようになります。私自身、以前アトピー性皮膚炎があったこともあり乾燥しやすい体質ですが、冬の間も毎日保湿剤をぬり、まれに赤くなった部分にはそれにあったステロイドをぬることで発疹のない状態を保つようにしています。

保湿剤

保湿剤には大きく分けて軟膏、クリーム、ローションの3種類があります。軟膏は保湿力が強いですがべとつき、ローションはサラサラしてぬりやすいですが保湿力は劣ります。クリームはその中間です。クリニックで処方できるものにはヘパリン類似物質が成分の保湿剤(ヒルドイド、ビーソフテン)や尿素が成分の保湿剤(ケラチナミン、ウレパール、パスタロン)がありますので、症状や部位に応じて処方します。乾燥しやすい部分全体に毎日保湿をすることで、がさがさや赤みが出るのを予防できます。一人一人に合った保湿剤を提案しますので、気軽にご相談下さい。処方ではヒルドイド、尿素を使った保湿剤、ワセリンの3つの保湿剤が中心になりますが、市販でもセラミド、ヒアルロン酸など保湿に有効な成分を用いたいい保湿剤が販売されています。処方の保湿剤が合わない場合には適切なものを指導します。

保湿剤の選び方についてはこちらの記事を参考にしてください。
https://allabout.co.jp/gm/gc/472855/
https://allabout.co.jp/gm/gc/466756/

保湿剤の有効性についてはこちらの記事を参考にしてください。
https://allabout.co.jp/gm/gc/463019/

ステロイドのぬり薬

症状が軽く保湿剤だけで予防や治療ができるときにはステロイドのぬり薬は必要ないのですが、悪化した時には適切に使うことが大切です。ステロイドのぬり薬というと怖い、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、副作用の多いのは飲み薬のステロイドであり、ぬり薬はほとんど体に吸収されません。ステロイドのぬり薬は1回あたり2週間程度の使用まででしたら副作用はほとんど出現しないですし、お子さんでもぬり薬の強さを調整して 使用することができます。短期間、ステロイドをぬり、症状が落ち着けばまた保湿剤のみで抑えることができるようになります。怖がらずに早めにステロイドのぬり薬を使うことで、結果的に治療を遅らせるよりもトータルで使うステロイドぬり薬の量を減らすことができます。

ステロイドの塗り方についてはこちらの記事を参考にしてください。
https://allabout.co.jp/gm/gc/470210/

プロトピック(タクロリムス)

もう一つ、プロトピックという赤みやがさがさといった炎症を抑えるぬり薬があります。タクロリムスというステロイドではない炎症を抑える成分が入っています。こちらはステロイドと同じような効果がありながらも数カ月から年単位でステロイドをぬったときに起こりえる皮膚が薄くなる、皮膚が赤くなる、といった症状がありません。そのため、長く続く顔や首のアトピー性皮膚炎、お子さんの長引くアトピー性皮膚炎に使うことが多いです。最初に使うときにヒリヒリしたような刺激感があります。これは悪さをしているわけではなく、薬の性質上そう感じてしまうのです。1~2週間程度使うとひりひりを感じなくなってきます。目の周り、口の周りといった顔の症状では特に、ステロイドや保湿剤と組み合わせて使うと上手にアトピー性皮膚炎を抑えることができるようになります。2歳以上であれば、小児用のものをお子さんにも使えます。

プロトピックはステロイドのような皮膚が薄くなる、血管が開く、といった副作用がないので長期間使っても比較的安全ですが、顔に長い間使うとニキビや酒さを誘発して赤みやボツボツが逆に増えることがありますので、漫然と長く塗ることは推奨できません。

コレクチム(デルゴシチニブ)

コレクチムは2020年からアトピー性皮膚炎に使われるようになった、比較的新しい塗り薬です。JAK阻害薬といい、ステロイドではなく、プロトピックとも異なる炎症を抑える薬が使われている。強いステロイドの塗り薬ほどの効果はないですが、プロトピックのような刺激感もなく、特に顔のかゆみや赤み、がさがさに使うことが多いです。体や腕、脚にも使用可能です。~2週間程度使うとひりひりを感じなくなってきます。目の周り、口の周りといった顔の症状では特に、ステロイドや保湿剤と組み合わせて使うと上手にアトピー性皮膚炎を抑えることができるようになります。2歳以上であれば、小児用のものをお子さんにも使えます。

0.5%が大人用、0.25%が小児用になりますので、お子さんのアトピー性皮膚炎でも使用可能です。長く炎症を繰り返しやすい顔、首、肘・膝の裏に使いやすいです。

紫外線治療(光線療法)

アトピー性皮膚炎には紫外線治療が保険適応で行えます。当院では体の半分に紫外線を当てる「ナローバンドUVB」の装置、体の狭い範囲に紫外線を当てる「エキシマレーザー」のいずれも備えています。紫外線を当てると炎症を抑えることができ、アトピー性皮膚炎の赤みやかゆみが軽減します。治療効果を考えると週2−3回の紫外線治療が理想ですが、週1程度の受診でも効果はあがります。紫外線と言っても一部の波長のみを選択して体に当てるので、皮膚ガンのリスクは上がりません。まめに通える方には副作用もほとんどない良い治療法ですので、ご相談にいらしてください。

飲み薬

かゆみが強いために飲み薬を希望される患者さんも多いです。アレグラ、クラリチン、ザイザルなどの名前で知られる「抗アレルギー薬」というアレルギーを抑える飲み薬を塗り薬に追加して処方することがよくあります。ただし、治療の主役はあくまで塗り薬で、抗アレルギー薬は補助的にかゆみを抑える程度だということはご理解ください。

強いステロイドの塗り薬でも抑えられない広範囲の赤みやがさがさがあり、まめに紫外線治療を受けられない、という方には「ネオーラル(シクロスポリン)」という飲み薬を処方することがあります。こちらは強く全身の炎症を抑える薬ですので、アトピー性皮膚炎による赤みやかゆみといった炎症の反応を抑えることができます。3ヶ月間までは連続して保険適応で処方が可能です。血圧が上がる、腎機能が悪化する、といった副作用が長期使用した場合には報告されているので、定期的な採血や血圧測定が必要になります。

さらに効果が高く長期使用できる飲み薬も最近発売になり、オルミエント(バリシチニブ)とリンヴォック(ウパダシチニブ)の2種類があります。いずれもJAK阻害薬と呼ばれ、炎症を強く抑える機能があります。以前から関節リウマチに使われてきましたが、アトピー性皮膚炎でも保険適用で使えるようになりました。採血やレントゲンなど定期的な検査も必要になりますので、大学病院と連携しての治療を行います。

注射薬

皮下に注射を定期的に行うことでアトピー性皮膚炎の炎症を抑えて治療するデュピクセント(デュピルマブ)という注射薬も使われています。副作用も結膜炎など大きなものはなく、安心して使える薬です。ただし、注射薬でもアトピー性皮膚炎の根本を治療しているわけではありませんので、使用をやめるとその効果は切れてしまいます。特殊な治療にはなりますので、大学病院と連携しての治療を行います。

※テスト環境のためコラム非表示

表示タグ:湿疹

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